令和7年版 厚生労働白書(テーマ編)の位置づけ

令和7年版 厚生労働白書(テーマ編)の位置づけ 発行:

厚生労働省 文書:厚生労働白書 対象:「高校生・大学生・社会人になったばかりの若者」 主眼: 社会保障・労働施策を「知識」ではなく「自分ごと」として捉えさせる 将来の制度の担い手・選択主体としての意識形成 

全体を貫く重要ポイント(要約) 

① 社会はすでに「前提が変わった段階」に入っている 少子化・人口減少・超高齢社会は不可逆 これまでの 「現役世代が高齢者を支える」モデルは限界 全世代型社会保障への転換が不可避 「すべての世代が支え、すべての世代が支えられる」

② 社会保障・労働施策は「困った時の制度」ではない 白書が繰り返し示しているメッセージ: 社会保障・労働施策は 特定の人のための“救済” 

人生のリスクに備える社会インフラ 病気・障害・失業・介護・出産・事故 → 誰にでも起こりうる「予測不能なリスク」

 若者にとっても 「将来使うかもしれない制度」ではなく 「今から関係している制度」


 ③ 若者の意識ギャップが明確に示された 関心は高いが、理解は十分ではない 関心が高い分野 労働分野:約8割 医療・年金:6割前後 理解している割合:5〜6割程度 

 「知っているつもり」 「言葉は聞いたことがある」 しかし 使い方・相談先・権利 は曖昧


 ④ 教育を受けたかどうかで、意識と行動が変わる 白書で最もエビデンスが強い点: 社会保障教育・労働法教育を受けた若者は 関心度が高い 理解度が高い トラブル時の行動選択が適切 

 「教えた分だけ、社会は壊れにくくなる」 という構造がデータで裏付けられている 


 ⑤ ミクロとマクロ、両方の視点が必要 白書はこの2つを明確に区別しています。 ミクロ(個人の視点) 生活上の困りごとに対処できる 働く上でのトラブルを回避・解決できる 将来の選択肢(働き方・生き方)を主体的に選べる マクロ(社会の視点) 社会保障は「誰かのため」ではなく「社会の安定装置」 制度を使う側でもあり支える側でもあるという理解 地域共生社会の担い手としての意識形成 


 白書が示す「今後の社会課題」 

 1)制度はあっても、届いていない ヤングケアラ働く若者の労働トラブル 生活困窮の初期段階 

 課題は「制度不足」より 認知・アクセス・相談の断絶


2)「待つ支援」から「気づく支援」へ 豊橋市・神戸市の事例が象徴的 相談が来ない=問題がない、ではない アウトリーチ型・伴走型支援への転換が不可欠


 3) 学校・地域・民間の連携がカギ   学校教育だけでは足りない 行政だけでも足りない 

  民間・NPO・地域活動との接続が必要 


「教える」から「一緒に考える」へ 

 本白書から読み取れる本質的メッセージ 社会保障・労働施策は、 不安な社会を生き延びるための「知恵」であり、 次の社会を選び取るための「道具」である。 


 

0コメント

  • 1000 / 1000